子どものこころに合わせるという事
「作品をつくる」とういう作業をするには
殆ど事足らないであろう状態になっている。
もちろん「こども」が対象ではある。
それでも 時が変われば必要となる道具や材料は
変わってくるもので その都度必要と
されているものは ボチボチ揃えていく。
そのなこんなで16年。
なかなか 快適に作品を作れる環境になったと
嬉しく思いアトリエを眺める。
そう。
「環境」。
いろいろな画材や道具を揃えて環境を整えていても
子どもが「使いたい」と思うかどうかは
子どもの気持ちなのである。
大人から見れば お金払って 「こんなのしか作らない」とか
「こんな家でもあるような材料しか使わない」とか。
家にあるような材料の方が
安心して使えるんだという事がわかってもらえない。
使ったことのある材料や道具の方が
安心して表現できるんだという事がわからない。
見たことない画材を躊躇なく使えるのは
チャレンジ精神が旺盛な子だったり・・・。
画材を選択するのも その子のその時のこころが決めるのである。
使いたくなったら。
何も言わなくても 使うものである。
画材棚を物色?(笑)して 宝物を見つけたかのように
「こんなのあったんだ!」
と言いながら 使い始める。
アトリエに来ている子で
こんな子がいる。
道具も材料も持参で来るのである。
アトリエに全部揃っていて
持ってこなくてもいいのに
自分の道具と材料を持ってくる。
それに対して お母さんは
何も言わず 子どものこころに任せてくれる。
こちら側としては
お月謝を頂いている以上 正直 辛いところでは
あるのだが・・・笑。
でも その子のその姿をみていると
上記の事が 当てはまってくる。
自分なりに 納得のいく作品を作りたいから
自分の使い慣れた道具と材料を持ってくるのである。
それと アトリエのどこに何があるのかを
まだ 完全にわかっていないのとほしいものがあった時
都度 私に聞かなければいけなくなる。
そのコミュニケーションが苦手だと それを少しでも
減らすためには 持参することが 一番いいのだ。
本人なりの知恵である。
半年ほど経った頃から 道具を持参しなくなった。
そして アトリエの画材棚を物色(笑)するようになった。
多くは語らず。
黙々と自分のイメージする作品を作り上げている。
子どものこころのペースは大人にはなかなかついていけない。
かくいう私も偉そうな事は言えず・・・(笑)
念仏を唱えるように「待つ」を意識している。
うーッ・・・って思うほうが多いかも(笑)。
しかし、じーっと観察していると
本人なりに いろいろ考えて 理由があっての行動のようだ。
こうやって 子どもの自由が保障されているアトリエは
大切なんだと思う。