親の成長・子どもの成長
アトリエの基本的な内容です。
一般的に行われている物作り体験のような 「今日はこれを作りましょう!」
的な事は一切行いません。
子どもの自主性を優先させております。
絵を書いたり作ることが好きなのでとアトリエに入会される子供たちですが
そうは言っても 毎回 毎回 何かを作りたい!と意欲満々で来るばかりでは
ありません。
アトリエに来るなり
「あ~・・・。今日は 何しよう・・・。な~んも思い浮かばない・・・」
と 力なく言ったかと思ったら 画材棚の前でボーッと立ち尽くす(笑)。
そんな光景は 珍しくありません。
何もできないなら 無理に何かをしなくていい。
「何もしなくていい」
という所に 大切な意味がある。。。という事なのです。
習い事に来ていて「何もしなくていい」なんて ありえない場所だと思います。
(まあ・・・。アトリエは「習い事」という部類なのか?というところが
そもそも「?」なのですが 一般的には「習い事」の部類になりますよね。)
しかし しっかり 冷静に状況を判断してみると・・・。
子供たちは ちゃんと今の自分の状態を大人側に伝えています。
「あ~な~んも思い浮かばない」って。
思い浮かばないって言ってるという事は 今すぐは なんにもできないよと
伝えているわけです。
自分の意思をきちんと言葉にしているのに
大人側の答えは。。。といいますと。。。
「ほら。時間ないんだから なんでもいいから 作りなさい!」
「いつも アトリエ行きたいって言ってるのに なんで 今日来てるのに
なんにもできないの!」
「もう30分も過ぎてる。なんか作らないの?」
などなど(笑)。
もし。
これが 逆なら どうでしょう。
わかりやすい例えでいうならば
お料理が大好きなお母さんがいました。
でも 毎日毎日 朝・昼・夜の献立が 毎回毎回すっと出てくる訳じゃない。
いくら料理が好きとはいえ 時には やる気がでなかったり、アイデアが湧いてこなかったり。
「今日は な~んも浮かばない。やる気がでない」
と家族に自分の状況を訴えます。
それなのに、
「え~っ。お腹減ったよ。なんでもいいから何か作ってよ」
「こっちは仕事して疲れて帰ってきてるのに やる気ないからって 食事の支度してないってなんだよ」
などと言われても 作る気などでてきませんよね。
それどころか 自分の事を理解してもらえない事で かえってイライラしますよね。
そんな時に 言われたい一言はどんな一言でしょう。
「な~んも思い浮かばないなら 今日はお弁当でも買って食べてもいいじゃん」
「外食にしようか」
「今日は 僕が作ってあげるよ」
などという言葉が掛けられると 自分の事を理解してくれたと感じませんか?
そして 今日はなんにも出来ないけど またやる気がでたら
美味しいものをいっぱい作ってあげるねって思いませんか?
ありがとうと感謝の気持ちでいっぱいになりますよね。
子どもも同じです。
アトリエでの この 「何をしていてもいい・・・」というのは
何もできない時こそ 親子間の心のコミュニケーションが生まれていると感じます。
親側もゆったりした気持ちで
「今日は な~んにも浮かばないなら 寝転んでてもいいよ。いつも学校や習い事で忙しいんだから」
と 心の底から感じながら言った言葉は 子供の心に響いているようです。
急かされる事なく ゆったりした感情で接してもらえた子供たちは
ゆったりした中で いつのまにか やる気が起こり 結果 アトリエ終了時間には
しっかり作品が仕上がっています。不思議です。
実際にこういう光景がアトリエでは よく見られます。
アトリエに来られるようになって しばらくすると
親御さんに変化が見られます。
ほんの少しずつですが 心の変化が出てきます。
もちろん 行きつ戻りつですが・・・(笑)。
親御さんが 一番苦手で苦労する部分は 「待つ」事だと思います。
子どものすることを「待つ」
成長を「待つ」
私自身 ここの所は、生涯を通しての課題だと思っております。
むしろ 人様よりずっと出来ないことだから アトリエを開いているのでは
ないかと思っております。
でも 知らないまま年月が過ぎていくのと
気が付いて 少しづつでもいいから「待つ」事を心がけるのとでは
子どもの成長には大きな差が出ると感じております。
私が、その事を知った時には 子供はもう思春期を過ぎ大人への第一歩に
入りかけた時期でした。。。
遅かりし気付き・・・(笑)。
それでも 気付けてよかった・・・。
気付くことに時期はないと思い アトリエ活動を続けています。


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theme : セラピー&ヒーリング
genre : 心と身体