伸びている「能力」
「あ~なんにも思いつかない・・・」と
アトリエに来るなり ため息をついているSちゃん(笑)。
この一年 どちらかというと 創作意欲が落ち気味の
一年でした。創作意欲は落ちてきましたが おしゃべりは
絶好調でどれだけ話しても 疲れないようで
そのパワーは格段とアップしていきました。
Sちゃんが創作意欲が 落ちているからといって
アトリエでは 「創る事」だけではないのが 摩訶不思議な教室。
お話で時間が終わったところで それはそれで いいのです。
「創れない」時にも その子なりの意味がある事と捉えます。
しかし その状況がずっと続くと 子供なりに ちょっと心配になるようです。
「ねぇ先生・・・。アトリエってさ。ストレス解消する所なんだよね」
「そうだよ。大人の人のアトリエは 創ることより 話をしてすっきりして
帰っていただくんだから。おしゃべりで終わっても すっきりするならそれでいいんだよ」
自分のしている事に不安を感じ それを肯定してもらえると
ホッとした顔をして また お話に花が咲いています。
しかし おしゃべりの中から子供たちが何に興味を持ち どんなことをしているのかを
ちょっとした会話の中から 拾い出すことができます。
Sちゃんは・・・。
ある漫画に夢中になり その漫画の特集本を買うほど はまったのですが
その特集本を 自分なりに もっと分かりやすく ページを探せないかと
工夫していることを話してくれました。
「せっかく まとめたなら アトリエに持ってきてよ♪。
頑張っってまとめた作品 見せてよ♪」
「え~~~。自分しか見ないから チャラ書きだよ~」
「いいってば。持ってきてよ~見たい、見たい♪」
Sちゃんは 次の週に 持ってきてくれて見せてくれました。


その一部です。
漫画のキャラクターの事など 全然わからない私にも これを見れば
すぐわかるくらい わかりやくすくまとめてありました。
「これって 大好きな漫画だから ここまで一生懸命
わかりやすいものが出来たんだもんね♪ すごいことだよ!」
大人(親)側から してみれば こんな事に一生懸命になるんなら
勉強をそれくらいしてくれればいいのに・・・
そう思って 言ってしまいます。
気持ちは すごくよく理解できます。私も同じように思ってしまうでしょう。
しかし 逆の立場になってみたら・・・。
好きな事だからできたけど これって嫌いな事なら ここまでできたかというと
無理だと思います。
「まとめる力(能力)」というのは 好きな事だから どうしたら見やすいかとか
どうしたら もっと便利に使えるか・・・とかの工夫をしていけるのだと思います。
好きな事だから・・・ドンドン工夫して まとめる力を伸ばしていったら
いつか やらなくてはいけない出来事にぶつかった時に、伸ばしていった能力は
知らないうちに 自分の身についていて それを生かしていけるのだと思います。
現にSちゃんは、この「どうしたら もっと よくなるだろう」と工夫する能力を
知らず知らずに身につけていて いろんな場面で発揮しています。
アトリエでの 創作の基本は 失敗を恐れるのではなく
失敗したら そこから
「どうしたら よくなるだろう」
「何が 原因でうまくできなかったんだろう」
を 自分で考え 自分で乗り越える事を積み重ねて身につけていきます。
「失敗は成功の元なんだよ♪。
失敗しないと ダメだった所が見つからない。
だから 失敗は チャンスなんだよ!」
そうやって接していった子供たちは 自分が持っている能力を
グングン伸ばしていきます。
さて・・・。
Sちゃん。
持ってきてくれた作品を その日のアトリエで もっと見やすくしようと
定規を使って綺麗に書いたり 色画用紙に書き直したり
自分なりの工夫を凝らし時間いっぱい 創作していました。
できなかった分は 家に帰って続きをするのだそうです(^^)。




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