Mちゃんの最後のアトリエ
うちのアトリエに期間限定で通ってきてくれた子がいた。
当時9才のMちゃん。
粘土が大好きで、粘土をいろんな形に変えて
とっても素敵な作品をたくさん作っていく子だった。
Mちゃんの得意なのは、食べ物の作品とたまごっちのキャラクター。
その中でも、「パフェ」は、よく作っていた。
本当においしそうで、完成するたびに拍手していた(*^▽^*)。
そんなMちゃんが、いつもとは全然ちがう雰囲気の作品を作った。
たまごっちのキャラクターでもなく 食べ物でもない。どうも「亀」のよう。
「これは、何?みどり亀?」と聞くと
「違う。海亀」と言った。ミニミニ海亀だ。
「出来た!海亀が卵からかえって 今から海に行く所!」
と言いながらうれしそうに見せてくれた。
そして、アトリエも終わり お母さんがお迎えに来られて、
「あっ。先生。今日でアトリエ終わりなんです。転勤先に行く事に
なりましたので。ありがとうございました(*^▽^*)。」
と、言う事だった。急な事だったので、お別れの言葉も言えずに
終わってしまった。
Mちゃんが、帰った後に残された亀の作品を見て
「じ~ん」と来てしまった。
いつも、アトリエでは、「行きたくないな~(転勤先に)」と言っていた。
「お母さんに 行きたくないと言った事はある?」と聞くと
「ない。」と言っていた。
どうしようもない事だと分かっていても、誰かに言わないと
いられなかったのだろうと思って黙って聞いていた。
最後のこの作品は、
「先生、私 行くからね。がんばるね。(*^▽^*)。」
って言っているようだった。
作品は 本当に心が伝わるな~と・・・思う。
Mちゃんのお父さんの転勤先は、海外だ。
川ではなく、今から海に出て行く亀。
Mちゃんにとって、転勤先は、まさに「海(大海)」。。。
その作品は、いまでもアトリエに大切に飾ってある。

なんだかセツナイ・・・
子どもなりの決心が見えたのですね!
子どもの心の言葉が聴けると、どんな生意気ちゃんでもカワイイ~♪って思えるし、ベソベソくんだって応援したくなるよね~!!
アトリエの作品棚は子ども達の“おしゃべり”でにぎやかなんでしょうね(*^_^*)
どうしようもなく手のつけられない困ったちゃんも、なんか一生懸命作ってメッセージを送っている姿を見ると、みんなカワイイナ~って思います。
作品棚ってないんだけど、いつの間にかみんなが、作品を並べて帰るのと、壁にはいっぱい絵を貼って帰るようになって。。。

殺風景だったアトリエは、えらくあったかみのあるアトリエに変わりました。
