「記憶」に蓋をする事
早く忘れてしまいたい・・・というのが本音です。
「忘れる」
というのは それまでは ちゃんと自分の意識の中にあったという事。
そうではなく
「覚えていない」
と言われた事があります。
「あの時の事・・・あんまり覚えていないんですよね~(笑)」
(覚えていない)と言うのは 本当に覚えていないのか、それとも
「覚えていない」と言っているだけで (覚えていないフリ)かしら・・・
本当は しっかり覚えているのでは???
実は これらのやりとりは ジュニア(中学生)クラスの
アトリエっ子ちゃんとのやり取りでした。
何気なくしていた会話だったのですが、
その子にとっての(あの時の事)を 知ってる私は
今は元気で前向きな状態だから ただ忘れているだけだろうと思い
軽い気持ちで・・・でも どこかしら引っかかるものもあり
その子の中の(「あの時」の覚えていない出来事)に
そーっと 記憶を探るように触れてみました。
すると みるみる 顔の表情が変わり
「あぁぁぁ・・・・・・・。。。ダメだダメだダメだぁ・・・」
「まずい まずい まずい・・・。あーーーーー嫌だ!嫌だ!」
「あーーーーーーー・・・。」
そう言いながら 顔を伏せてしまった。
しばらくして
「あーーーー思い出した。あーーーー。せんせー。。。これダメだわ。
すっごく嫌です!あーーーーーーーー・・・」
(あの時の記憶)。。。は、本当に その子にとって、深い深い傷だったのです。
すぐに 色を使っての メンタルケアを始めました。。。

ただただ ずっと 何も話さず 色を塗りこめる。。。
こころの奥底に沈んでいた感情を 吐き出すように クレヨンが折れるほど
ただひたすら 力を込めて塗り込めていました。
アトリエも終わり 帰る頃には その子の笑顔は、元に戻っておりました。
テーマ=(今の私)

その子にとっての(あの時の記憶)というのは、
学校の先生から受けた「良かれと思って・・・」という行動の積み重ねです。
今の学校は 昔と違い先生の抱える問題は とても大変であろうと察します。
学校の先生が「ウツ」になるという話は、もう 珍しい事ではありません。
ですが、間違った方法を取ってしまうと それを受けた子供たちは
大人への不信感が拭えない状態になってしまいます。
先生や養育者の方の「よかれ」は 必ずしも子供にとって
「よかれ」の事ではない・・・ということを もっと
きちんと考えなければいけないと感じます。
大人側が「よかれ」と思ってした行動は 子供たちの心の傷と
なって残ってしまったら・・・。
その「傷」に 気付くことなく 大人になってしまったら・・・。
そのまま大人になった子供達は、
自分の子供を育てる頃に 我が子の気持ちを理解する事が
難しくなる事さえあります。
心の傷に気付かない・・・というのは、「嫌な記憶に蓋をする」という事です。
蓋をして 表に出なければ 気付かないまま 何もなかったかのように
生活できる。。。
しかし 蓋をしたままにしても 何事もなく人生を閉じるまで
生き抜ける人もいれば 蓋をした事で心の器を越え 前に歩き出せなく
なる人もいます。
大人の「悩み」は 本当に「悩み」として どの人もきちんと捉えますが
子供の「悩み」というのは 大人は、とかく軽んじてしまいがちです。
子供たちの「悩み」は あったとしても 大抵 すぐ忘れるだろうと思ってしまう。
神経質になりすぎることもないですが
軽く捉えすぎてもいけない・・・。
どうすれば 心の傷をつけることなく 育てる事ができるのか…。
その答えは あってないようなものだと思います。
人間、みんな一人一人違う。。。
兄弟(姉妹)ですら 違うのですから。。。
親は 子育てしながら「親」になる・・・
自分の子とどう向き合うかは 一日一日模索しながら育てるしかない(笑)。
毎日 毎日 時間に追われるまま時が経ち・・・気がついたら
こんなに大きくなっていた・・・というのが現状でしょうか(笑)。
さて。。。
あの日 ダメだぁぁぁ・・・と言って ひたすら
色でデトックスしたジュニアクラスのアトリエっ子ちゃん。
その後 2週間後のアトリエに来た時に 改めて聞いてみました。
「この2週間 どうだった?」
「たまに ふと 嫌な感じもしたけど 全然大丈夫だった(^^)。
なんだか わかんないんですけど 色を塗っていた時 すっごく嫌な思いが
蘇って止まらなくなったんだけど・・・。終わったらスッキリしてた。
2週間の間で 思い出す事があってもそんなに嫌な感じじゃなかったよ。
なんていうのか・・・。今は違うからって思えたし(^^)」
「色はこころの言葉」
毎度 この素晴らしさに・・・色の持つ不思議に 感動します。

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