こころとカラダ
その時の出来事です。
お昼ご飯を食べに ホテルのバイキングに行った時でした。
「お席は 空いている場所のどこにお座り頂いてもかまいません」と
言われ 4名で1テーブルの空いた席に一緒に旅行に参加した母と
並んで座って 食べておりました。
私の相向かいの席は まだ1つだけ席が空いていたのですが
しばらくしたら 一人の女性が座られました。
その女性は 体調が急に悪くなったようで うなだれて ずっとため息を
つかれておりました。しばらく様子をうかがっておりました。
あまりにお辛そうなので「大丈夫ですか?」と尋ねると
「急にしんどくなった・・・」と いきさつを話してくれました。
4名で1テーブルの私たちだったのですが その女性の身体を案じて
いろいろ 話を聞いたりアドバイスをしたり・・・。
その方のお話によると
朝が早い今回の旅行のため 朝の3:30から起きて支度をした。
ご主人が一緒だったので、準備に追われるうちに パン1枚だけ食べて
来た。
バスに乗り 酔い止めがわりに チューハイを1本飲んだ。
その後 段々 辛くなり 今が最高に辛いのだか
トイレで戻そそうにも 胃に何も入っていないので 戻すものがなく余計にしんどい。
という事でした。
その方は、話をしながら ずっと
「なにか食べなきゃ また 気分が悪くなる。」
「どうしよう。なにか食べなきゃと思うけどなんにも食べたくない」
「アルコールが悪かったのかしら?いつもは何ともないのに・・・」
「お肉が大好きなのに 取ってきたこのお肉が食べたくない」
「でも 何か食べなきゃ また気分が悪くなる」
「ご飯を食べないと お腹が空きすぎて気持ち悪くなるかも・・・」
「アイスのようなデザートなら 食べられるかしら・・・」
「どうしよう。やっぱりご飯をたべようかな・・・
それとも食べない方がいいかな」
・・・
とまあ。延々 これの繰り返しで ずっと深くため息をつくばかり。。。
最初は親身になっていた 周りの人も 何を言っても 聞く耳を持っているような
持っていないような この女性の様子に段々 呆れ気味。
しかし よくよくちゃんと聞いてみると・・・。
ご飯を食べたくないんだけど 食べないとまた 気分が悪くなるかも・・・。
と 自分で自分に暗示をかけているような様子・・・。
う~ん。。。
「トイレで戻したあとも また 戻したくなりましたか?」
「そのあとは 戻す感じはないの」
(そうか~。。。)
と。
私は医者ではないので 診察も診断もできませんから
せめて 不安を取り除くくらいなら・・・と。
「いつもは、なんともなくても 普段とは違う状態ですし
もしかしたら、風邪気味だったのかもしれないですし・・・。
だから ちょっとのアルコールで酔の周りが
ひどくなったのかもしれませんよね(^^)」と
「今日だけは、特別だったのかもしれませんね(^^)」と
声をかける事で 「治らないんじゃないか・・・」という不安を和らげて
さしあげました。
あと、その女性の不安材料のピンポイントを割り出しまして・・・(笑)。
その方の 不安材料は「ご飯を食べないと また辛くなる」という強い思い。
そこで、今の体調を考え お腹いっぱい食べるのではなく
「一口だけ 食べましょう。一度 戻しているので 胃が悪いのかもしれないから」
「そして バスに乗ったら しっかり寝ましょう。きっと ご飯をひとくち食べて
しっかり休息したら アルコールが抜けたら楽になりますよ(^^)」
とお声をかけました。
その女性は 「ご飯を食べなきゃ また辛くなるかも」と強く思っているのに対し
周りの意見は「胸が悪いのなら なんでも食べたらダメだ」と反論される。
自分の気持ちの背中を押して欲しいのに その逆の答えしか返ってこない。
それが この方が「聞く耳を持たない」理由なのではないかと感じたのでした。
そこで この方の「強い想い」の背中を押し 気持ちを肯定する事で
冷静に頭で考えられるように やんわりと持っていきました。
すると 自分の想いを肯定されたその方は やっと自分の気持ちを整理し
「ご飯を食べます」と ご自分で「ちらし寿司」を取りに行かれ
少量のご飯を食べられました。
バスに戻った後は しっかり お休みされ 次の工程は参加せずその間も
バスの中で 休息しておられました。
しばらくして 目覚めた頃には あのしんどそうな様子はどこへやら・・・。
バスの中に花が咲いたように 大きなお声でお話をされ
嬉しそうに笑っておいででした。
「あ~~~よかった。本当によかった」と何度も何度も言っておられました。
「こころ」って不思議だな・・・と。
つくづく感じた瞬間でもあります。
「病は気から」と昔のコトワザにもありますが 本当にそうだな(笑)と。。。
あのまま ご飯を我慢して食べずにいたら きっと この女性は 一日しんどい思いを
していただろうなと感じます。
「ご飯を食べなかったら またしんどくなる」。
そう 強く思っていらっしゃいましたから・・・(^^;)
自分のこころが自分のカラダを治したんでしょうね(^^)。
どのような場面においても 相手の話をよく聞く・・・というのは
大切なことだと 感じます。
何を言いたいのか・・・何をわかってほしいのか・・・。
何を伝えようとしているのか・・・。
子育てにおいても 会社の中でも 夫婦の間でも 恋人同士でも 友人でも・・・。
何はともあれ。。。
治ってよかった♪
せっかくの旅行ですから(^^)。

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theme : セラピー&ヒーリング
genre : 心と身体